科学技術の進歩とともに,機械,電気・電子,建設・建築,エネルギープラント,情報関連機器等の広範な産業分野で,新技術や新製品が次々に開発され,我々に便利で快適な日常生活を提供している.これらの各種工業製品において,近年,大型化・マイクロ化・情報化等が複合的かつ重層的に進んでおり,地球環境問題やエネルギー問題等の人類共通の新たな課題にも直面している.また,製品そのものの安全性や信頼性を確保すべきことは云うまでもないが,製品がシステムとして構造的に複雑化するほど,ひとたびシステムの一部に損傷や破壊が発生すると,その被害が従来以上に拡大されることとなり,関連するシステム全体の信頼性を保証する必要がある.ICT化が進んだ現代社会では,いずれかの機器の細部の損傷や不具合により,瞬時に地球的規模の混乱が発生することにも直結するから,このような被害を最小限に留め,人間の生命や社会の安全を保証するための基盤技術の確立が強く望まれている.
信頼性工学部門委員会は,この観点から「材料」を介して種々の工学分野を横断的に結び付けながら,我国にこの信頼性工学を確立・普及させることを目的に設立され,本学会の他の部門委員会は言うに及ばず他の学会とも連携して幅広い委員会活動を展開している.
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